【植樹のハナシ②】下川町のこと

毎年植樹に行っている下川町の事をすこしご紹介します。

チエモクとして独立する数年前、まだ両親の会社=有限会社三島木工にいた時に、(移住の)お誘いを頂き下川町を訪れたことからご縁を頂き、それから15年来のお付き合いとなります。

ちょうどそのころ、私は黒板消しストラップという商品が売れるようになって、やっと自分が自分の作ったもので事業として成り立たせられるようになった、という時期で、黒板消しストラップに使っていたイチイ(=オンコ)の木が希少だという事を知って、無くならないよう再生につながる活動に参加したい、という願いを持っていたところでした。
※結局、オンコを積極的に再生する活動などない(涙)という事を、この後徐々に納得していくのですが、それはまた別のハナシで(笑)

そんな時に下川町を訪れて、「循環型森林経営」という町の取り組みを知りました。https://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/…/01/post-10.html循環型森林経営、というのは町有林に60区画を設けて、60年で伐採し1年ごとに植える、樹齢1年~60年までの区画を循環することで、伐採と植栽を永久に繰り返し木材を生産し続けることが出来る、持続可能な森林経営の事です。
これを町の事業として取り組んでいる、そして森とその恵みを使って町に仕事が生まれる、ということに、すごいな!って・・・とても感動しまして。その頃は、まだ60年のサイクルが完成する前で、間伐をしながら毎年50ヘクタールずつ人工林を増やしている時期でした。(平成25年に60年のサイクルが完成)木が売れるから沢山伐ろう、ではなく、限られた面積から採れる恵みをいかに活用するか、という事で付加価値を増やしていく、なんてクリエイティブな考え方だろう!と本当にワクワクしました。

実際、木材活用においても、60年のサイクルが完成する前(実質、主伐が行われる前)から、建材や板になるような良材だけでなく、細い間伐材を木炭にして商品化したり、葉っぱを蒸留したアロマオイルを商品化したり、侵入木のカバ類の割りばしやフローリング材への活用、端材をチップにしてバイオマス利用したりという事も取り組んでいました。

私が何より共感しているのが、「天然林を伐ることを前提としていない」というところです。北海道の林業は、豊かな森林資源を背景に、天然林を伐って売って成り立ってきた時代があり、普通は「木が売れるなら沢山伐ろう」になります。けど、前述のオンコじゃないですけど、森の始まりも分からないような、いわば歴史が育てたような森はそうそう再生できるものではありません。
使えば資源は当然減っていく、「伐ったら終わり」そんな存在だと感じています。
そんな木材を消費することの責任を考えるとウッと苦しくなる、それは、私が木を加工することで作れる価値よりも、もともとの木材が持つ価値の方がよほど大きいものだと感じるからです。
一方で再生する活動をしつつ使わせてもらえる木材の方がずっと安心して使えますし、人間らしいクリエイティブな仕事だと思うのです。
ぜひ私もその森から生まれる恵みを使わせてもらいたい、恵みを生み出すことに関わっていきたい、と思ったのです。

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